Terra/LUNAプロジェクトと仕組みを理解して将来性を考える

Tuesday, February 22, 2022

LUNAは2021年の8月あたりから年末にかけて20倍くらいの急騰を見せた仮想通貨で、時価総額でもトップ10に入るほどのメジャーな仮想通貨になりました ^^

  • 話題になったTerra/LUNAについて知りたい
  • Terra/LUNAはこれからも伸びるのか
  • 投資対象にするべき?リスクは?

という人も増えてきているかと思います ^^

TerraブロックチェーンはLUNAとUSTという2つの通貨を軸にしており、ほかのブロックチェーンプロジェクトとは少し異なる特徴があります。

このブログでもよく記事にしているTerraブロックチェーンですが、今回はプロジェクトの概要や仕組みなどについて振り返ってみようかと思います ^^/

内容のまとめ

  • 元MicrosoftのDo Kwon氏とHOF Capital CEOのDaniel Shin氏が立ち上げたプロジェクトで韓国をベースに世界中の開発者が参加しているブロックチェーンプロジェクト
  • USTというステーブルコインとLUNAというガバナンストークンがあり、USTでガス代を払う
  • 独自のブロックチェーンを構築しており、MetaMaskではなくTerra Stationというウォレットが必要
  • USTとLUNAは海外取引所かDEXで買う必要がある
  • USTが仮想通貨界隈でもメジャーなステーブルコインになりつつある

Terra/LUNAプロジェクトの概要

Terraホームページ

Terraホームページ

Terra/LUNAはブロックチェーンと仮想通貨によるDeFi (Decentralized Finance)のプロジェクトの1つです。

プロジェクトの概要をまとめると以下のようになります。

概要詳細
ファウンダー元Microsoft&Terraform Labs CEOのDo Kwon氏とHOF Capital CEOのDaniel Shin氏が立ち上げたプロジェクトで韓国をベースに世界中の開発者が参加している
プロジェクトの目的ブロックチェーンとDeFiが普段の生活に取り入れられるようにステーブルコインでの支払いを広める
スポンサーBinance Labs, OKEx, Huobi Capital and Dunamu & Partnersなどの仮想通貨のビッグプレイヤーが出資
トークンTerra USD (UST) と LUNA
TVL (Total Value Locked)$15.77B

いくつかの特徴としては

  • TerraブロックチェーンにはUSTというステーブルコインとLUNAというガバナンストークンの2つの仮想通貨がある
  • TerraはCosmos SDKを使って開発されていおり、独自のブロックチェーンを展開している
  • Terraブロックチェーンを使うためには専用のウォレットや他のブロックチェーン(EthereumやSolanaなど)からクロスチェーンブリッジする必要がある
  • ボラティリティの少ない仮想通貨での支払いができるような社会を目指している

といった点があります。

UST
UST(ステーブルコイン)
LUNA
LUNA(ガバナンストークン)

仮想通貨は高いボラティリティのせいで投資対象として見られがちですが、Terraはステーブルコインをとおして実生活の向上を目指しているという点が個人的にはわかりやすくていいと思ってます ^^

参考:Terraホームページ

Terra/LUNAブロックチェーンの仕組み

Terraには主にUST(ステーブルコイン)とLUNA(ガバナンストークン)の2つのトークンがあり、これらが機能してTerraブロックチェーンが成立するような仕組みが設計されています。

  • USTとLUNAの関係
  • コンセンサスメカニズム
  • ガス代

もう少し理解を深めるためにこれらの点について解説していきます ^^/

USTとLUNAの関係

プロジェクトの根幹としてUSTがUSドルにペグされる(同じ価格になる)ことが重要になります ^^

そのためにLUNAとUSTをアルゴリズムによって需要と供給のバランスを保つような仕組みをつくっています。

別の言い方をすると、USTの需要の変化によってUSドルよりも安くなったり高くなったりするので、LUNAを使ってこれを防ぐようにしています。

その仕組みを説明すると

ケース1:USTの需要が増えるケース2:USTの需要が減る
  • USTが$1よりも高くなる
  • USTを発行する
  • 発行したUSTでLUNAを買ってバーンする
  • USTの価格が下がり$1になる
  • USTが$1よりも安くなる
  • LUNAをミントする
  • ミントしたLUNAでUSTを買う
  • USTの価格が上がり$1になる

USTの価格が$1から離れると価格差を利用して利益を生むアービトラージをするユーザーが増えます。そのインセンティブとLUNAのバーン&ミントと組み合わせることによってUSTの価格を$1にペグしています・・・ようはLUNAを囮?にしてUSTを$1にするって感じです ^^;

このアルゴリズムでLUNAの供給量が変わるので、USTが買われるほど価格が上がりやすく、逆に売られるほど価格がやすくなります(もちろん直接LUNAのトレードもされているのでそうなるとは限らないですが ^^;)

このようなアルゴリズムでペグをするステーブルコインはあまり多くない上に、いくつかペグがはずれて価格が暴落したものもあります ^^;

TerraのUSTに関しては過去に一時的に$1から大きく外れたこともありますが、その後は$1に戻しており、仮想通貨マーケットが暴騰・暴落した際にもペグを維持することができています ^^

USTの価格推移 (Coingecko)

USTの価格推移 (Coingecko)

コンセンサスメカニズム

Terraブロックチェーンは「Proof of Stake」コンセンサスメカニズムを採用しており(Cosmos SDK)トランザクションを検証するバリデーターがいます ^^

バリデーションの一連の流れは

  • あるバリデーター(プロポーザーと呼ばれる)がユーザー(デリゲーター)の代わりにトランザクションを提出する(ブロック)
  • 複数のほかのバリデーターが提出されたブロックを承認するか投票する(2回の投票がある)
  • 承認されるとブロックがブロックチェーンに追加され、バリデーター・デリゲーター・プロポーザーにブロックから手数料が支払われる
  • 承認されなければ別のバリデーターがプロポーザーとなり再度承認プロセスを実行する

という具合にプロセスされます。

Terraブロックチェーンのバリデーター

Terraブロックチェーンのバリデーター

Terraブロックチェーンの場合にはLUNAをステーキングしているとデリゲーターとなり、手数料の一部を報酬としてもらうことができます ^^

少し前に触れたようにLUNAはトレードもできるので以下の2つの状態があります

  • Unbonded:ステーキングされていないトレード可能な状態
  • Bonded:ステーキングされてトレードできないが報酬がもらえる状態

今回は説明を省きますが、「LUNA = Unbonded」で「bLUNA = Bonded」となります ^^

ガス代

Terraブロックチェーンではガス代をUSTで払います。

Terraの成長に比べてかなり安いガス代($0.1くらい)で運用されています。

ガス代はUSTで支払い

ガス代はUSTで支払い

ステーブルコインなので価格上昇のせいでガス代も急激に高くなるようなこともありません(ETHなんかはもはやガス地獄です ^^;)

安くてステーブルコインで払うガス代の仕組みはTerraブロックチェーンの特徴の1つであり、地味ですが大きな利点でもあるかと思います ^^/

Terra Stationウォレット

Terra StationというDeFiウォレットを使う必要があり、独自のブロックチェーンを構築しているためMetaMaskには対応していません ^^;

インストールや使い方はMetaMaskに似ているので難しくはないですが、別のウォレットで管理することになります。

Terra Station

Terra Station

このTerra StationにてTerraブロックチェーンに対応したトークンを保管してDAppsと接続することでDeFiプラットフォームを利用できます。

Terra Stationウォレットのインストールと入金方法については参考記事を書いているのでそちらを読んでください ^^/

参考:Terra Station WalletでTerraブロックチェーンDeFiを始めよう

ちょっと面倒に感じるかもですが、リスク分散という意味ではむしろ良いかと思います ^^

USTとLUNAを買う方法

USTとLUNAは海外仮想通貨取引所もしくはDEXで買うことができます ^^/

仮想通貨取引所

  • Binance
  • KuCoin
  • Coinbase
  • Huobi
  • Kraken
  • Gate.io

もちろん流動性の高いTerraのDEXでUSTとLUNAを買う(スワップする)こともできます

  • TerraSwap
  • Astroport
  • Mirror Protocol
  • Loop Finance

ほかのブロックチェーンのDEXでも買う(スワップする)ことができます(Wrapped Token)が、流動性低いとスリッページコストがかかるので気をつけましょう ^^;

  • Uniswap
  • 1inch
  • PancakeSwap
  • Pangolin
  • QuickSwap

などなど

詳しくはまた別の記事にて紹介していこうと思います ^^

個人的な感想と期待

ここからはTerra/LUNAへの個人的な意見と期待です ^^

Terra/LUNAに対する所感:

Terraはプロジェクトの目的がわかりやすく、僕もUSTですべての支払いをしたいくらいに思っているので応援したい気持ちです。

個人的に考えていることはUSTで資産運用し、その金利収入を仮想通貨デビットカードやクレジットカードのUSTとして支払うという生活です。

家賃などの固定費だけでなく食事やネットショッピングなどもUSTで払えるようになるととても便利になるでしょう(韓国ではCHAIというアプリですでに使えるようです)

多くのDeFiプロジェクトはブロックチェーンや仮想通貨を広めるとかDeBankだとか言ってますが具体性に欠けるものも多いのでTerra/LUNAのわかりやすい目的はいいと思います

将来性について:

Terra/LUNAはすでにDeFiでEthereumに次ぐ大きさになっていますが、これからも開発が続いてさらにユーザーが増えていくと期待しています。

さらにUSTは安定した収入を産んでくれる資産であり、LUNAは価格上昇によるキャピタルゲインを狙うことができる仮想通貨です。

例えばUSTをAnchor Protocolに預けて金利でLUNAを買うというような、なるべくリスクを取らずにインカムとキャピタル両方を狙う運用もできます ^^

加えてTerraのエコシステムにはさまざまなプロジェクトがあり、Anchor Protocolのシンプルでかつ高い金利やMirror Protocolでの株式トークンの売買などそれぞれに特徴があります。

参考:

エコシステム全体でも被っているものが少ない印象です(例えばBinance Smart Chainはイールドファーミングのプラットフォームがコピーされて乱立してます・・・^^;)

さらにWormholeというクロスチェーンブリッジによってUSTを別のブロックチェーンにWrapして送ることができるようになり、ますますUSTが利用されるようになっています ^^(Ethereum・Binance Smart Chain・Avalancheなど)

USDTやUSDCのリスクが定期的に取り沙汰されるにつれてUSTがステーブルコインとしてより有名になってきているので、これからも注目のプロジェクトだと思っております ^^/

まとめ

というわけでTerra/LUNAブロックチェーンプロジェクトについて解説しました ^^

  • ステーブルコイン(UST)とガバナンストークン(LUNA)の両輪で構築されている
  • USTが使われるほどLUNAの価格も上がりやすい(逆もしかり)
  • USTのステーブルコインとしての地位が向上している
  • インカムとキャピタルの両方での収入を得られるような運用ができる

というような特徴や傾向があることについて紹介しました ^^/

個人的には将来性があるプロジェクトのひとつだと思っているのでこれからも関連記事を書いていこうと思います。

興味がある人はぜひタグや検索で記事を探して見てください ^^/

参考にした記事や情報


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